天皇関連

 歴史のなかの皇女たち

歴史のなかの皇女たち(服藤早苗 小学館 2002/11)によると古代の日本では同母の男女以外の結婚はすべて認められていた。皇族や貴族の場合、父方一族間の近親婚が政治的な理由からも好まれた。 また同書によると、江戸時代を生きた皇女で、13歳以上まで無…

 鈴木邦男の天皇廃止不可能論

鈴木邦男氏は右翼のユニークなオピニオンです。最近は「日本人の生活観、家庭観からかけ離れた旧態依然とした価値観を皇室だけには押しつけていいのか」と問題を提起されているようですが 天皇家の掟―『皇室典範』を読む (祥伝社新書) (祥伝社)、昔読んだ…

 昭和天皇の戦争責任

わたしの国民はわたしが非常に好きである。わたしを好いているからこそ、もしわたしが戦争に反対したり、平和の努力をやったりしたならば、国民はわたしを精神病院か何かに入れて戦争が終わるまで、そこに押し込めておいたにちがいない。 また、国民がわたし…

 常識では考えられなかった地方巡幸

日本天皇の特質を知る上で、はるかに大切なのは中世史である。日本の中世史が意義深いのは、長い時間をかけて天皇を権威だけの存在として残し、実務権力のほうは幕府が担うという世界でまれに見る、特異な「権・権分離」の政治体制を作り上げたからである。 …

 ラビ・モーゼ『日本人に謝りたい』

( ユダヤの長老的存在。戦前はルーズベルト大統領の側近として日本を研究し、戦後は対日処理の立案に加わった。本書の評価は「怪しい」というしかないが、天皇を論じた箇所は聴くに値するのでは。)

 トーマス・ボッブの市民社会論

市民社会は万人に対する万人の闘争である。この戦争状態をやめなければ、やがて共倒れになって、全員没落、死滅に至る。だから人間たちは、一定のルール(法)の下に国家権力の裁定を背にして競争する必要がある。この権力のナンバーワンは、国家の成員たちの…

 ヘーゲルの立憲君主論

国家は市民社会の分裂を停止させるために創出されたが、今度は国家権力を握ろうとして四分五裂する。国家は一つである。つまり分裂してあってはならない。だから当然、その中心は一つでなければならない。しかもこの一つがつねに変化するのであれば国家の安…

 福沢諭吉の帝室論

皇室を尊重するとは如何に。それは皇室を、政治をもって煩わし申してはならぬというに帰する。皇室は政治の外に仰ぐべきものであり、またかくのごとくしてこそはじめて尊厳は永遠のものとなる。 自ら政治の衝に当られぬとして、しからば皇室の御任務は何処に…

 バジョットのイギリス憲政論

バジョットのイギリス憲政論の中にこういう部分があります。 国民は党派をつくって対立しているが、君主はそれを超越している。君主は表面上、政務と無関係である。そしてこのために敵意をもたれたり、神聖さをけがされたりすることがなく、神秘性を保つこと…

 大西邦敏教授(比較憲法学)の君主論

君主制の条件は何か。政治的な権力を持つ、持たない。国を代表する、代表しない。こうした論点は関係ない。世襲の君主が存在する。これだけでいい。世襲の君主が存在すればその国はそれだけで君主国である。誰が権力を持っているか、誰が国を代表しているか…

八木秀次氏のY染色体説

皇統とは天皇直系ということではない。神武天皇の血を父親系統、男系で引き継いでいることであり、それが万世一系である。 八木秀次高崎経済大学助教授は云う。過去の八人(十代)の女帝は、あくまで男系の男子の天皇に継ぐためのピンチヒッターであった。女…

 側室制度

近世・近代の例を見ても、第115代桜町天皇以降、123代大正天皇まで9代続いて天皇の生母は皇后ではなく、側室であった。たとえば、明治天皇は昭憲皇太后との間には子どもが生まれず、5人の側室を持ったが、側室から生まれた15人の皇子・皇女のうち成人したの…

 男系の系譜

過去、親も祖父も天皇でないにもかかわらず即位した天皇が5名いる。第25代武烈天皇は継嗣を残さず死んだため、第16代応神天皇の五世にあたる26代継体天皇(即位は西暦512年)に受け継がれたとされている。継体天皇の3人の皇子が次代の天皇になったが、その…

 華族制度

華族(かぞく)とは、明治から昭和22年まで存在した日本近代の貴族制度のことである。 明治維新のとき、公家と旧大名の藩主を華族として、1884年の華族令で法的身分に定められた。華族は旧公家・大名藩主家のほか、明治維新勲功者が取り立てられ、その爵位は…

 旧皇族の11宮家

マッカサーとの会見で天皇は開口一番、自己の生命や財産の保証ではなく、国民の財産や生命の保証を求めた。国民を質入れして自己の保身を計る西洋の君主とは逆に、自己を質入れして国民の救済を求めたのであった。昭和21(1946)年、GHQは皇室財産の総額…