大西邦敏教授(比較憲法学)の君主論

君主制の条件は何か。政治的な権力を持つ、持たない。国を代表する、代表しない。こうした論点は関係ない。世襲の君主が存在する。これだけでいい。世襲の君主が存在すればその国はそれだけで君主国である。誰が権力を持っているか、誰が国を代表しているか関係ない。
世界史上、君主制を廃止し共和制になる時に君主を処刑するか、あるいはそれを見越して君主が亡命するか、それしかない。例外はない。君主制は廃止されたのに君主たる資格をもつ血筋が生きているなんてことは、そもそもありえないのだ。生きていればその国は君主国なのだ。