2005-12-05から1日間の記事一覧

 ラビ・モーゼ『日本人に謝りたい』

( ユダヤの長老的存在。戦前はルーズベルト大統領の側近として日本を研究し、戦後は対日処理の立案に加わった。本書の評価は「怪しい」というしかないが、天皇を論じた箇所は聴くに値するのでは。)

 トーマス・ボッブの市民社会論

市民社会は万人に対する万人の闘争である。この戦争状態をやめなければ、やがて共倒れになって、全員没落、死滅に至る。だから人間たちは、一定のルール(法)の下に国家権力の裁定を背にして競争する必要がある。この権力のナンバーワンは、国家の成員たちの…

 ヘーゲルの立憲君主論

国家は市民社会の分裂を停止させるために創出されたが、今度は国家権力を握ろうとして四分五裂する。国家は一つである。つまり分裂してあってはならない。だから当然、その中心は一つでなければならない。しかもこの一つがつねに変化するのであれば国家の安…

 福沢諭吉の帝室論

皇室を尊重するとは如何に。それは皇室を、政治をもって煩わし申してはならぬというに帰する。皇室は政治の外に仰ぐべきものであり、またかくのごとくしてこそはじめて尊厳は永遠のものとなる。 自ら政治の衝に当られぬとして、しからば皇室の御任務は何処に…

 バジョットのイギリス憲政論

バジョットのイギリス憲政論の中にこういう部分があります。 国民は党派をつくって対立しているが、君主はそれを超越している。君主は表面上、政務と無関係である。そしてこのために敵意をもたれたり、神聖さをけがされたりすることがなく、神秘性を保つこと…

 大西邦敏教授(比較憲法学)の君主論

君主制の条件は何か。政治的な権力を持つ、持たない。国を代表する、代表しない。こうした論点は関係ない。世襲の君主が存在する。これだけでいい。世襲の君主が存在すればその国はそれだけで君主国である。誰が権力を持っているか、誰が国を代表しているか…