バジョットのイギリス憲政論

バジョットのイギリス憲政論の中にこういう部分があります。
国民は党派をつくって対立しているが、君主はそれを超越している。君主は表面上、政務と無関係である。そしてこのために敵意をもたれたり、神聖さをけがされたりすることがなく、神秘性を保つことができるのである。またこのため君主は、相争う党派を融合させることができ、教養が不足しているためにまだ象徴を必要とする者に対しては、目に見える統合の象徴となることができるのである
バジョットは、政治を二つの部分から成るものと考えます。一つは尊厳的部分、もう一つは実効的部分。尊厳的部分を担うのが君主、王室であるということ、実効的部分を担うのが内閣その他であるということであります。
   『世界の名著 60 バジョット