歴史のなかの皇女たち

歴史のなかの皇女たち(服藤早苗 小学館 2002/11)によると古代の日本では同母の男女以外の結婚はすべて認められていた。皇族や貴族の場合、父方一族間の近親婚が政治的な理由からも好まれた。
また同書によると、江戸時代を生きた皇女で、13歳以上まで無事に成長した人は50人いた。50人のうち結婚したのは14人で、結果として従兄弟との結婚が大半を占めていた。未婚は36人であるが、これらの皇女の多くが入寺したという話である。

中世以後になると、皇女が未婚のまま生涯をすごすことが多くなったが、古代の場合には皇女の多くが結婚している。しかしその相手はごく限られた人々で、天皇の系譜に記録されている皇女の結婚相手はすべて王族である。

そうしたなか、(江戸時代の)皇女はその高貴とされた生まれゆえに進むべき道が限定された。未婚のまま生涯をすごす皇女の八割近くは尼寺へ入寺した。結婚する場合は、相手が摂家もしくは親王家の当主か、その相続者に限られた(例外は和宮親子内親王などの3例だけ)。