女性天皇・女系天皇賛成論者の危うさ

女性天皇女系天皇にもろ手をあげて賛成している人たち、とくにテレビで発言している人がよく使う言葉に、男女平等、基本的人権、民主主義…があります。「旧皇族と結婚すればよい」などと言うものなら、感情をあらわにして「自由恋愛の世に何を言うか」と息巻いていますが、私にはきわめて不誠実な言動に聞こえます。本来リベラリストなら天皇が存在すること自体に反対しないといけません。リベラリストが信におけるものかは別問題ですが。
女性皇太子の夫になる人は次の天皇の父親になるわけだから、誰でもよいというわけにはいかない。無職ではよくないだろうし、差し障りのない職業というのも意外とないから困る。また20代の男性では何をしでかすかわからず不安であるし、30代で独身の男性というのもなんだかなという気持ちにさせられる。しかも女性皇太子の場合は20代に結婚して子供をつくるということが期待されるから、男性皇太子のようにゆっくりもしていられない。だから「女性天皇を承認すれば皇室が安定する」という有識者会議の結論は穴だらけなのです。女性天皇の現実的な問題は皇太子時代の結婚相手選びと子づくりにあるわけですから、基本的人権の尊重を唱える立場にたっていながら、こうした重荷を愛子様に押し付ける決定をした有識者会議を男女平等論で擁護してほしくないと強く思います。
私は女性天皇賛成論者には危うさを感じています。

天皇になるものには職業の自由も結婚の自由も居住の自由もなく無私の心が求められることを認めるか、天皇制は終わりにすべきと主張するか、立場は2つに1つしかないと私は思うのですがいかかでしょうか。
基本的人権を唱え、女性天皇女系天皇も支持している人たちが、愛子様が皇太子になられたとして、愛子様が自由意志で選んだ伴侶が伝統的保守主義の男性だとしても反対しないとは私にはとても思いません。私は、民間人の男が次期天皇の父親になるとしたら、その人への品評・批評のすさまじさはお妃選びの比ではなく、象徴天皇の権威が地に落ちてしまわないかと危惧せざるをえません。

これまで皇室は傍系によって支えられ、男系の候補者多数の中から後継天皇が選ばれてきました。だから天皇の子を暗殺しても天皇制はなくならない。直系子孫が絶えたなら、継体天皇の例のように傍系男性を探し当て、ほかに該当者がなければ極端な話、乞食をしていたとしても天皇として迎え入れてきたはずです。こうした伝統が国民に受け入れられておればこそ天皇制は歴史の試練に耐え抜いてこれたのではないでしょうか。女系天皇ということになれば、国民の3割が権威を認めないという事態も考えられます

天皇制が個人崇拝・直系万歳になってしまったら、それは天皇制の危機を意味します。なぜなら直系継承でしか国体を維持できない制度下では北朝鮮金王朝と同じになってしまい、天皇の子は体制反対派の暗殺が危惧されるため、完全護衛なしでは人前に出られなくなるから国民統合の象徴としての尊厳を失うことになってしまうからです。
 

私の皇位継承問題についてのスタンスが見えてきました。

  • 旧皇族の方(そのお子様)を皇族復帰させることには懐疑的である。
  • 女性天皇女系天皇にもろ手をあげて賛成するテレビ等の風潮には危惧を感じる。
  • 象徴天皇のカリスマ性を失わないためには、「今上天皇のお孫様たちが旧皇族のお子様やお孫様と結婚していただいて男の子を産んでいただけるとありがたい」と考える国民が多数になることを心から望んでいる。

このスタンスで12月は勉強して行くことにします。このあと、私の意見は変わるかもしれませんが、どなたも失笑なさらずにお付き合いお願いします。