混乱を生じているWBCの順位決定方式

今、6回が終わったところだが、スコアは0-0で予断を許さない試合になっている。TBSのアナウンサーは「日本が勝てさえすれば準決勝進出決定」といっているが、その論拠として「勝率が同率で並んだ場合は直接対決で勝ったほうを上位とするルール」であることをあげている。このため今、眉につばをつけているところだ。

失点率などに変更 WBC順位決定方法変更

 野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)アジアラウンド事務局は4日、同率チームの順位決定方法に関する規則変更を発表した。
 同率で並んだ場合に(1)直接対決で勝つ(2)失点が少ない
(3)自責点が少ない(4)打率が高い(5)くじ引きで勝つ−の順で上位を決めるとしていた。しかし(2)と(3)は延長戦やコールドゲームがあった場合に不公平が出るため、失点、自責点をそれぞれイニング数で割った失点率と自責点率に変更された。
                           (了)

[ 共同通信社 2006年3月4日 19:20 ]


私の解釈は、

  1. 三すくみで勝率が同じケースは(1)直接対決で勝つ は無意味であるから(2)失点率の勝負となる。
  2. 日本が1点差で勝てば失点数は同じだが、サヨナラ勝ちを除けば後攻の日本が上位になる。

であった。
試合状況は勝つにしてもサヨナラ勝ちになりそうで予測不能になっているが、投手戦で勝てば、アメリカより上位になることは間違いない。

それはそれ、これはこれで問題はないのだが、そもそも、(1)直接対決で勝つ が順位を決定するケースがあるのか疑問であった。4カ国で争っているのだから、全部で6試合、引き分けなしで考えれば、3カ国が2勝1敗になるケースは、残りの1カ国が必ず0勝3敗であるから、すべて三すくみのケースだけである。1カ国が3勝0敗で残り3カ国が1勝3敗になるケースも考えられるが、これも三すくみ以外はないケースである。
つまり、WBCの順位決定方式は無意味な基準を上位にもってきたため混乱が生じたのであろう。