皇位継承順位について

前に、『傍系継承は現代にそぐわない』で論じたことだが、あいかわらず、次のようないちゃもんがなされている。リンクすることはしないが、こうした主張の記事にお目にかかったなら、私の意見と比較してみていただきたい。

皇室典範改正によって、秋篠宮様立太子できなくなり、愛子内親王立太子されることになります。今上天皇の次男である秋篠宮様がおられるのに、その皇位継承権を奪って女性皇族を立太子させるのは、もはやイカれています。


現皇太子が天皇になられれば、秋篠宮が皇太子になるのかというと、現皇室典範でもそんなことはありません。秋篠宮は兄弟ですから皇太子は不在(空位)となります(皇太子 - Wikipedia)。皇位継承の順は皇長子、皇長孫、その他の皇長子の子孫、皇次子及びその子孫であるから、秋篠宮は4番目に過ぎません。皇長孫がお生まれになっていないから、継承順位が2位になっていますが、皇長孫がお生まれになったときに「2位ではなくなるのはけしからん」と騒ぎ立てる人はいないでしょう。皇室典範の改正で皇長孫が女子でも継承されることになることをとらえて「今上天皇の次男である秋篠宮様がおられるのに」との主張は、かなり言いがかりに近い主張だと思います。
なお、「皇位継承権を奪う」とおっしゃいますが、現皇室典範でも次子である秋篠宮天皇になるのは皇太子に万が一のことがあった場合だけですから、不遜きわまる異議申立です。終身世襲制である以上、現皇太子が天皇に即位されて90歳まで長生きされれば、秋篠宮天皇に即位するとしても85歳になってからのことです。男系継承を守りたい気持は支持しますが、「ご説の補強にお門違いの主張を持ち込むと、余計叩かれるだけですから止めていただきたい」と思うのは私だけでしょうか。

現皇室典範
第2条 皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。
    1. 皇長子
    2. 皇長孫
    3. その他の皇長子の子孫
    4. 皇次子及びその子孫
    5. その他の皇子孫
    6. 皇兄弟及びその子孫
    7. 皇伯叔父及びその子孫