皇位継承は男系の伝統継承よりも権威の継承が重要

自民党武部勤幹事長は5日、水戸市で開かれた会合であいさつし、「日本という国は天皇中心の国であります。中心がしっかりしているということと同時に、中心をみんなで支えていく。そういう国柄だと思います」と語った。(『朝日新聞』)

皆さん、この報道記事を見てどう思いますか。
私には「武部幹事長が問題発言をしました。さあ思いっきり抗議しましょう」とあおっているように感じます。
実際、「国民が中心でしょ。」「天皇?関心ないよ。」という声も若い人を中心に根強いものがあります。こうした若い人を育てた左翼系のオピニオン達が、いまこぞって天皇制の権威を薄めてやろうと躍起になっているのもまた事実に相違ありません。
とても鋭い指摘があり感心しています。↓

有識者会議の最終報告に対する社民・共産のコメントに隠された本音

私は「天皇あっての日本」と思っておりますので、こうした声には賛同できません。ですから、こうした声が大きくならないようにしないといけないときに、「伝統を守れ」とか「男系でなければ天皇ではない」の一点張り論陣はあまりにも能天気すぎます。日本における天皇の地位と存在の意義を日本国民の伝統的理解、認識として次の世代に継承していけるような論陣を期待したいです。また、男系の維持も重大事ですが、天皇から天皇へ、この国の価値と文化が、そして傲慢な権力を許さない権威が、確実に継承されていくことを願うばかりです
お勧め本を新刊書から1冊。帯に『天皇とは何か――天皇問題に一石を投じる衝撃の書。この1冊で天皇天皇制のすべてがたちどころに分かる「天皇と日本人」を考えるための手引書。』とあり、加瀬英明氏の推奨文が載っています。
天皇問題』(山本峯章 光人社 2005/11 )

本書は、天皇、伝統、歴史認識、国のあるべき姿について、鋭く説得力を持って分析し、資源のない日本にとって伝統が力の源となっていることを教える。珠玉の論文集である。ひろく読まれることを期待したい。