30年後の皇位継承順位シミュレーション

皇室典範が変更されずに男系男子に皇位継承されることが堅持され、旧宮家の子孫を皇族とする特別法が施行されているとしよう。当然、傍系の継承順位1位となる皇族は決まっている。
一方、内親王であられる愛子様旧宮家子孫の男性と結婚する可能性がある。ただし、傍系の継承順位1位となる皇族と無理矢理結婚するとは思えない。相手を選べない結婚には国民の多くが反対であろうし、何より年の差がネックになるかもしれない。そのような事情があり、愛子様が選んだ相手は皇族であられるが、次男でもあり、傍系の継承順位第5位あたりの男性であった。

さて、2036年愛子様には10歳と7歳の男の子がいる。愛子様今上天皇の皇女であり、もし2006年に皇室典範が改正されていたならば、次の天皇が愛子天皇であり、皇室の伝統とともに、愛子様の皇子に皇位が継承されていくはずであった。
ところが、今上天皇の次が秋篠宮であり、その次は傍系の継承順位第1位の皇族に皇位が移ることが決まっている。この傍系順位第1位の皇族は40代独身とか、男の子に恵まれずといった否定的材料がないことが救いではあったが、皇居での決められた生活といった皇室の伝統に守られることなく、民間人との付き合いも自由な環境で生育したため、右よりの知識人や政治家が取り巻きにいたりして、国民は象徴天皇の先行きを醒めた目で見るようになっている。ここにきて国民は男系男子の継承が権威なのではなく、皇室の伝統が継承されていることに裏打ちされていてこそ、男系男子継承の権威が感じられることに気がつき始めたのである。
眞子様佳子様も皇族ではないが男系男子の皇統子孫と結婚されているが、相手が皇族男性でないために民間に入ってすでに20年になる。今となってはかなわぬことだが、もし宮家を興していたなら、その皇子たちは傍系の皇族たちよりも皇位にふさわしい権威があることを誰しもが認めるところである。傍系の旧宮家の子孫に皇統に属する男系男子としての権威があるとしても、それは旧宮家の子孫ではないが皇統に属する男系男子であることに権威を認めるとした場合のそれ以上の権威ではありえなかったのである。
皇室の伝統が継承されていることの権威に優るものではなかったのであった。


この皇位継承シミュレーションは、女性天皇までを中継ぎとして認め、その後は特例で皇族となった旧宮家の子孫に皇位を移す方法が採用された場合にも通じる。後悔しないためには、とりあえず、直系の女性宮家が残れるように皇室典範を満場一致で改正しておくことである。これは急ぎの要件である。傍系男子の皇族化は急ぎの要件ではない。だいたいがじっくり時間を掛けて慎重に議論する必要があるし、皇室典範改正後の推移を見ながら継承順位を定め、30年後に国民に問うても十分間に合うことである(30年後はまだ愛子天皇にもなっていない。愛子天皇の次の天皇が即位するのはおよそ80年後である。誰がなるにしてもまだ生まれてすらいない人間である)。