タバコで増税、競馬で増税、増収になるのはどっちか

まず、たばこはどうか。

たばこ増税をめぐる与党の議論が大詰めを迎えているなか、喫煙者へのインターネットによるアンケートで、価格が1箱550円なら56%が禁煙に踏み切ることが分かった。
1箱300円から100円きざみで価格を示し、禁煙するかどうかを聞いて統計計算した。一番やめにくかった20代でも、430円で25%が、550円で50%が禁煙すると推定された。全体では430円で31%、550円で56%だった。
たばこ値上げによって喫煙者が減るという研究はこれまでもあるが、喫煙者が半減する価格が550円と具体的に出たのは初めてという。
川俣さんは「喫煙人口が半減すれば健康上有益で医療費の節減が期待できる。高いほどいいとはいえ、550円は意味のある価格だと思う。それでも欧米より安い」と話している。
たばこ1箱550円なら喫煙者半減? ネットアンケート

たばこは約63%が税金らしいから300円のたばこなら190円が税金だ。250円値上げして550円にしたときの増税分が220円だとして、たばこ1箱あたり410円が税金となる。値上げによって56%が禁煙してしまうと、たばこをやめない人から430円以上の税金をとらないと増収にならない。税金額が410円では約5%の減収だ。たばこ税で年間およそ1兆円が国庫に入っている。その5%だから500億円の減収である。
次に競馬はどうか。JRAの売上げは年間3兆円規模である。その5%は1500億円だ。つまり競馬の控除率を現行の25%から30%に上げて、アップした5%分の増収をすべて国庫に入れることにすれば増収が見込めることになる。
ところが政府が検討しているのはたばこの値上げであって、競馬の控除率ではない。なぜか。競馬の控除率に関してはむしろ20%に下げたほうが増収になるという考えすらあるのである。そのへんの話を明日します。