やはり女系天皇反対派は正論小児病らしい

私は「皇位継承」または「女系天皇」の文字を含む記事をRSSで収集している。毎日かならず新しい記事がある。そのほとんどが女系天皇反対だ。誰かが言い出すと皆同じようなことを言い出すから、いまや金太郎飴状態である。
徳仁天皇になれば秋篠宮立太子するはずだった」というのが莫迦げた話であることは昨日述べたとおりで、秋篠宮にとっても失礼な話だ。徳仁天皇になれば、皇位継承次位の立場であられる弟宮として天皇を補佐する働きが秋篠宮様には求められており、それは皇位継承順位が2位でも3位でも少しも変わりないことである。こんなことは常識でもわかりそうなことだが、なぜか日本通、天皇通の人たちが同じ間違いをなさっている。自立した柔軟思考ができなくなり、思考麻痺に陥っている証拠である(→google:秋篠宮 立太子)。


口裏を合わせたように「拙速な議論である」というのも共通している。本来、天皇は「生まれながらにして天皇になられるお方」であるべきで、そこに争いがあってはならない。愛子様はすでに5歳になられた。女性天皇への国民的合意を得るのにこれ以上延ばしたらどうなるか。愛くるしいお子さまではなく、自分のお考えをしっかりもつようになった愛子様への好悪感情や才能評価で賛否を求めるようなことになろう。天皇にしてもよいかどうかを、何が問題になっているかを十分理解できるようになった愛子様を前にして国民投票するようなものだ。天皇制のあり方からすればあってはならないことだ。こんなことが想定されることも想像できずに「決めるのは5年先、10年先でもよい」などと、よく言えたものである。


最近は「女性天皇だけを認めて女系天皇については先延ばしにする案」が大手を振るっている。これも現実離れしていることはなはだしい。女性天皇になる愛子様に「結婚するな」とか「子どもを作るな」などと人倫にもとることを言えるわけがない。ご結婚なされ、お子さまがお生まれになることは当然のことである。天皇にお子さまがおられる以上、お子さまが次の天皇になられることが自然の理である。もし、女系天皇を拒むことができるとしたら、敬宮天皇が家族を持たないときだけであり、それを望むのは人倫にもとるという話に戻る。要するに女性天皇だけを認めて女系天皇については後で決めるなどという案は、これ以上ない国民的反発を受けるだけなのである。


私はさほど悲観していない一人である。愛子様をはじめ内親王にあられては皇統男系の子孫の者と結婚され、お二人のあいだに生まれた子が男系天皇になる筋道が残されている。長子優先の継承は、世襲制の安定をはかる唯一の策であるばかりでなく、皇統に属する男系が切れた場合でも復活可能という長所がある。
それでも何代にもわたって皇統が切れることもありえるだろう。それもやむなきことである。その昔の男女の意識を推して知ることはできないが、現代の目で見ると複数の女性を世継ぎを産む道具にすることでかろうじて維持してこれたのが男系天皇制であった。今、男系でなくとも天皇制の権威を認める理論武装こそ保守の識者に求められている。そしてそれは可能なはずである。